大谷不動 一の滝

★大笹街道の土手道

 菅平高原に接する峰の原高原は、標高が1500m以上もあり、わが国でも有数の寒冷地である。積雪は水分の少ない雪なので、僅かな風でも舞い上がり移動する。この峠の雪道は、微風でも雪の中で埋もれて旅人は見失った。その為に数多くの人々が遭難し、難渋を繰り返してきた。沿道にある石仏や供養塔はその歴史を物語っている。

 これに対して考案されたものに、[土手道]がある。高さ1~1.5m程に盛り土がしてり、降雪は強い風に飛ばされて余り積もらないので、人馬は歩きやすい。この土手道は、幕末の寛永元年に仁礼宿と小県群大日向、横澤、真田、横尾の四ケ村が共同して建設した。

 このような土手は、峰の原と菅平にしかみられない貴重な歴史遺産であるといえよう。なお大笹街道は上州側では仁礼街道といわれている。須坂と沓掛、もしくは高崎を結ぶルートで、北国街道・中山道の脇往還として広く使われていた。この街道の最大の難所がこの峰の原であった。

            財団法人仁礼会・須坂市教育委員会