日本のウェブ・ユーザビリティの特徴とその理由



1 はじめに
eビジネスを展開していく上で、B2CB2B商取引に関わらず、ウェブ・ユーザビリティを重要視したウェブサイト設計が常識となってきた。ネットワーク社会では、顧客はウェブサイトを通じた経験をもとに、その企業の良し悪しを判断する場合も多いからだ。
米国SIPS(ストラテジック・インターネット・プロフェッショナル・サービス)企業は、 ネット・エクスペリエンス(ネットワーク経験)を重視したeビジネス・コンサルティングを顧客企業に提供している。ユーザーに好感ネット・エクスペリエンスを獲得させる為には、ウェブサイトの使い勝手向上が大きな割合を占めており、当然、SIPS企業もウェブサイト設計にユーザビリティの専門家を配置し、ソリューションを提供している。
米国では、既に体系化されたウェブ・ユーザビリティ理論がいくつか発表されている。もちろん、その内容のほとんどが普遍的なものであり、世界中で参考にされ活用されている。
しかしながら、ウェブサイトは本質的には、その国の民族が使用している言語を文字情報として利用している。言語は、その民族の文化を写し出した存在である。つまり、ウェブ・ユーザビリティがその国によって特徴を持つのも当然である。

本稿では、日本と米国のウェブサイトのデザインやユーザーレスポンスの差異を提示し、その原因を探る。

*2001年に書いた論文ですが、今読んでも本質的な部分では変わってないと思います。当時流行っていたテキストリンク広告は状況が相当変わりましたが....