裁量労働制で20年弱働いてみて


政府が今国会の最重要法案と位置づける働き方改革関連法案について、安倍晋三首相は28日、裁量労働制の対象拡大を法案から全面削除することを決めた。

前職からもうかれこれ20年弱、裁量労働制なんですが、すでに自分自身が今更裁量労働制ではなくなると困るなって感じになってます。もちろん今回の働き方改革関連法案以前から認められている裁量労働制の適応でということですが。

まあ、性悪説にたてば、裁量労働制はいろいろ心配なことが多いのは理解できますが、現行の労働基準法だって悪用できるところは山ほどあるわけで....。先日、野党議員が涙ながらに訴えた過労死の事例だって現行の労働基準法下で起こった事件ですしね。まあ政治的パフォーマンスなのでしょうがないですが。

自分自身にあてはめると、少なくとも残業代がなくなってから(裁量労働制になってから)、私の労働生産性は飛躍的に上がった(残業しなくなった)のは事実です。
そういう意味では、搾取されていると言えなくもないでしょうか。
だからといって、会社にいれば残業代がでる生活にもどる気は全くないんですよね。

ただ気になることもあります。

上記で私が搾取されている相手は誰なんでしょうか?
私の労働生産性が上がったのに給料が同じであれば、会社に搾取されているとも言えると思います。ですが、一番問題なので、労働生産性の低い裁量労働制ではない労働者の存在なんです。言い換えると、仕事の遅い労働者に残業代として搾取されている可能性も否定できないわけです。

仕事が忙しいとうのは二種類あります。文字通り、仕事量が多い場合、と単純に仕事が遅い場合です。日本の今までの制度では、同じ仕事量ならば仕事が遅い方が給料が高くなる可能性も高いのです。
自分自身が裁量労働制になってから、このことへの疑問は常にありました。同じ職場に裁量労働制とそうでない人が混在する職場では必ずこうした疑問は出てくると思います。

本当の公平とはなんなのか?
難しい問題です。

でも会社にいれば残業代がでる生活にもどる気は全くないんですよね。
二回言いました...w